取り組みの様子

羽田空港に手話CGによる案内動画が出現

空港という、多くの人が利用する場所で、音声だけに頼らず、誰もが必要な情報にアクセスできる環境がまた一つ広がったことを、とても嬉しく思います。
羽田空港第1、第2ターミナル 2階の出発ロビーの大型サイネージと館内サイネージで見られます。 この取り組みは日本空港ビルデング株式会社が、国立大学法人筑波技術大学と株式会社NHKエンタープライズと共同で 東京都の「先端技術を活用したバリアフリー観光推進事業」に採択された「手話CGを活用した観光の実現」の一環として実施するものです。
日本空港ビルデング株式会社と、筑波技術大学は、昨年協定を結びました。 この事業の一環として、学生や教員が見やすい画面構成を工夫し、手話CG製作のスタジオ収録と監修を行い、実現したものです。 関わった学生たちにとっても喜びはひとしおでしょう。 このような取り組みにつながる提案は、私にとっても長年伝え続けてきたことの一つでした。
私が筑波技大で担当する「デザインプロジェクト実習」では、2022年より毎年聴覚障害学生とともに羽田空港を訪れ、ユニバーサルデザインの視点から調査を行っています。 その中で何度も挙がっていた提案の一つが、 「フライトインフォメーションボードやデジタルサイネージにも、手話での案内を」 という案でした。 私自身も、羽田空港での研修や講演の中で、その必要性を伝え続けていました。 ですから今回の実現は、 筑波技大の教員や学生、 空港の皆さまをはじめ、多くの関係者の皆さまの検討や努力、そして「もっと誰もが安心して利用できる場所にしたい」という思いが重なって、形になったものだと思います。
その背景には、現場で生まれた声や、学生たちの提案、さまざまな場所で発信されてきた小さなアイデアの積み重ねがあります。 今回のニュースを見て、授業の中で学生たちが考え、提案してきたことが、社会の変化につながっていく可能性を改めて感じました。 教育の場で生まれたアイデアも、現場からの声も、それを受け止めて 形にしていく人がいることで、社会は少しずつ変わっていく。 「もっとこうなったらいいのに」という一人ひとりの気づきが、誰かの取り組みとつながり、未来の当たり前をつくっていく。 今回の取り組みは、そんなユニバーサルデザインの力を感じさせてくれる出来事でした。
誰もが安心して利用できる空港へ。 この実践が期間限定で終わることなく続きますように。 聞こえる世界と聞こえない世界をつなぐ取り組みが、これからも広がっていくことを願っています。
あまりにも嬉しくて、1人空港内をウロウロと徘徊していた私です。(松森)

取り組みの様子

甲子園も手話による案内開始

2026年8月5日に開幕した第108回全国高校野球選手権大会の開会式で、大会史上初めて手話が導入されました。愛媛県の高校生2人が司会進行や代表校名などを手話で表現し、球場の大型ビジョンにその様子が映し出されました。 第108回全国高校野球選手権大会が5日夕方、甲子園球場で開幕する。午後4時に予定されている開会式では初めて手話が導入され、松山市の済美平成中等教育学校6年(高校3年相当)の吉田理紗さん(17)と宇津百音(うづももね)さん(17)が、代表校の紹介などを担う。 4日の開会式のリハーサル。司会役の高校生の隣に2人が並び、交代しながら行進する代表校の校名などを手話で伝えた。バックスクリーンの大型ビジョンにも映され、熊本地震の被災者に対する黙とうの呼びかけも手話で表現した。  2人は学校の手話クラブのメンバーで、ともに小学生の頃に手話を学び始めた。吉田さんはいとこに聴覚障害があり、「一緒に話せるように」と考えたことがきっかけ。宇津さんは子ども向けの新聞で手話の記事を読んで興味を持ったという。2人とも高校生の手話によるスピーチコンテストで全国大会に出場した経験があり、吉田さんは昨年の大会で2位に入った。  2人は5月頃から練習を開始。7月20日以降に出場校が決まり始めてからは、全日本ろうあ連盟などに協力してもらい、49代表の校名をそれぞれ、どう手話で表現するかを確認し、覚えてきた。司会進行にしっかり合わせるため、昨年の開会式の映像も見て間の取り方に気をつけているといい、2人は「分かりやすいように、一つ一つの手の動きを丁寧にすることを心がけている」と話す。  本番に向け、吉田さんは「私たちが参加することで、一人でも多く手話に興味を持つ人が増えれば」と期待。宇津さんは「障害のある人にしっかり情報を届けられるよう、精度を上げて臨みたい」と意気込んでいる。  大会役員のあいさつなどは手話通訳士が担当する。2人は参加しないが、閉会式でも手話が導入される。(朝日新聞)

取り組みの様子

欧州におけるテレビCMの状況

欧州ではCM字幕はどのように放送されているのでしょうか?調査結果を報告します。
→欧州におけるCM字幕の状況について

現在の活動

CM字幕制作の現場

字幕付きCMのクローズドキャプション字幕、一般的な映像編集ソフトを用いたテロップ制作とは違い、字幕専用システムを使って制作しています。 代表的なものにはLSIジャパン製「Semdec」や朋栄製「NeON」等があります。 クローズドキャプション字幕は、通常のテロップのように映像の中に一体化されている訳では無く、テレビ側で別に文字を生成して表示しています。 そのための「字幕を表示させる情報」を作っている感覚です。映像編集ソフトに比べると独特な使い勝手があります。 また放送字幕には様々な技術的・表現的ルールがあり、CM用の字幕制作は、どこでも制作出来るわけではありません。 専用のシステムと専門スタッフが必要になるのです。それらに対応したポストプロダクションは10社程度あり、そのいずれかに制作を依頼することになります。 CM用の字幕制作に対応したポストプロダクションでは、まず、CM本編から文字興しを行います。台詞やナレーション、効果音など、CM内で鳴っている音を文字化していきます。 それらを、ルールに基づき字幕に当てはめていきます。CM字幕は表示する時間や文字数に制限があり、全ての情報を字幕化出来るわけではありません。 そのため必要な情報を選んで当てはめていきます。 又、字幕はテレビ側で表示しているため、各テレビ毎に書体や大きさが違い、表示されるタイミングもズレるので、それらを考慮して字幕を配置していく必要があるのです。 こうして出来上がった字幕は、情報信号として、CM原版ファイルに重畳(一体化)されて放送局に届けられます。